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僕の視線の先に

第4章 虹




関西は、梅雨明けしたらしい。



こっちも、もうすぐだろうか。





ニュースでは、あと2、3日、って
言ってたな。







「部長。夏の合宿日にち決まりました?」




「運動部のスケジュール次第なんだけど…
先生に確認してくるよ。」





どうしたって、体育館は
運動部が優先なんだけど、
やはり、舞台は使いたい。




職員室に向かった。





前から、カナが歩いて来た。



思い詰めた顔をして、
僕には気付かないようだ。





僕は声を掛けられなかった。






「…どうしたんだ?」












職員室に入ったら、
守山先生は、窓を見つめていた。





「先生。」






気付かないようで、
ただ一点を見つめていた。





「先生ってば!」



ドンドン!


仕方ないから、窓を叩いた。




「んあぁっ?ぁあ!ユウスケ!」



ハッと気が付いて、
すぐに、いつもの先生の顔に戻った。




「どうした?あ、夏の合宿の件か?」



机の上の書類の山から、
部活の書類を探しだした。



いつもキレイに片付いているのに、
珍しく乱雑だ。





「先生、また後で来ます。」




「すまん、後で持って行くよ。」







職員室を後にした。





「みんなどうしたんだろな。」






廊下を歩きながら、
窓の外を見ていると
また雨が降ってきた。










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