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占い師の憂鬱【デュラララ‼︎】

第3章 応接不暇


少女は怯えたように静雄の袖を掴む。
それに気がついたのか静雄は半歩前に少女を庇うようにして臨也に向き合った。
「いーざーやーくーん、ふざけんじゃねぇぇぇぇぇ!!」
ブチ切れた静雄は、街路にあったベンチを無理やり持ち上げて一気に振り下ろす。
え、ベンチ、だよね。
呆然と事態を眺めていると、黒髪の青年は笑いながら余裕でそれを受け流して間合いを詰める。
その手にいつ取り出したのかもわからなかったナイフを握り締めながら。
一瞬、そのナイフは静雄の脇腹を突き刺したかと思えば掠っただけで、数滴の血が滴り落ちる程度で止まっていた。
悲鳴をあげる間も無く少女は呆気にとられてその場を動けない。
「まったく、ちゃんと常識も考えて欲しいんだけど。俺、その脇腹を貫く勢いでナイフを突き刺したのにさぁ。擦り傷ってどういうことなの?少しは俺に気を使ってほしいものだね。あ、あとこの子は貰ってくから。じゃあね」
「……!?え、え、え!?」
気がつけば、臨也と呼ばれた青年の腕の中にすっぽりと抱かれてしまっているじゃないか。
我ながら気がつかなかった。
男は、女1人を抱えているというのに先ほどと全く劣らない動きでその場を立ち去る。
ていうか、足はやいっ。
どうしよう、どうしよう。
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