第1章 自己紹介は己の人生を決める大事なセレモニー
内臓が浮くような浮遊感。
視界が急降下していって、上も下もわからなくなる。頭がぐるぐる回って、まるで走馬灯の様に色んな思い出が駆け巡る。ああ、ろくなことがない人生だった。
私、死んじゃうのかな。
それもそれでいいのかもしれない。
だって、もう家族も友人も皆いなくなってしまった。私に残っているのものは誰一人としていなくなってしまった。
だから、生きてても仕方がないのかもしれない。
ゆっくりと、瞳を閉じる。
意識が遠のく速度に、体がふわふわと軽くなっていって。
真っ白になって、染まった。