第4章 いつまでも一緒
「……えへへ、殺生丸様と二人きりだ。」
りんは少し恥ずかしそうに笑った。
「もう寝ろ。」
殺生丸はりんに言った。
「はい…殺生丸様も、一緒に寝よう?」
りんからの可愛い誘い。
殺生丸の心が一瞬揺れた。
りんは布団を敷いて中に潜り込んだ。
殺生丸はりんの隣に座った。
「殺生丸様が助けに来てくれて、嬉しかった。」
りんは寝転んで下から殺生丸を見上げた。
殺生丸はりんが押し倒されている所を思い出した。
りんの涙、はだけた着物…全てが殺生丸を苛つかせた。
「殺生丸様…手、握ってもいい?」
りんは布団から手を出して、殺生丸の手を握った。
「殺生丸様が近くにいてくれると、安心する…」
りんはぎゅうっと殺生丸の手を握りしめた。
人間と妖怪。
共に生きていくことは、難しいかもしれない。
でも、殺生丸様となら、生きて行ける。
どこまでも、一緒だもん。
何処までも…
「おやすみなさい、殺生丸様。」
おわり
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