第4章 いつまでも一緒
夕方を過ぎ。りんは侍女に体を隅から隅まで丁寧に洗われた。
りんの腰まで伸びた綺麗な髪を梳かし、白の着物を着た。
りんはずっと俯いたまま。
楓様、心配してるだろうな…
外はすっかり日がくれていた。
侍女に案内されて、上様の部屋へと向かった。
用意された布団や枕を見て、りんはゴクリと息を飲んだ。
ここまで来たら、もうどうしようも出来ない。
「上様の御成。」
外から声が聞こえた。
りんはびくんと体を揺らし、急いで頭を下げた。
上様が中に入って来た。
「面を、あげなさい。」
上様に言われて、りんは顔を上げた。
上様は優しい表情で微笑んでいた。
「りんと言ったな。今朝のそなたの美しい姿はあの場にいた誰よりも輝いて見えたぞ。」
りんは、上様の目を見ることが出来ずにオロオロした。
「最近は、奥のおなごには飽き飽きしておってな。そなたは柳沢に言われてこの城へ来たそうだな。」
「はい……私は、ここへ来てまだ間もないです。上様とこのような関係、身分が違いすぎます….!」
りんは決心して思っていることを上様に告げた。
上様は黙ってりんを見つめた。
「…身分など、私が声をかければ何の問題も無い。」
「っ…….」
りんは、上様に頭を下げてもう一度言った。