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人間と妖怪の恋物語

第20章 人間と妖怪の恋物語



ー楓の村ー


「…りんちゃん、赤ちゃんは本当に残念だったわね。でもまたりんちゃんがこうして村に来れるようになってよかったわ。」

庭で薬草を煎じながらかごめが言った。


「みなさんに心配かけてすみません。私はもう大丈夫です。」

りんの言葉にかごめはほっとした。


「かごめ様と犬夜叉様のわこ様、お顔が見れて良かったです。犬夜叉様に似てとても元気ですね。」


「元気すぎるくらいよね。でも、犬夜叉はあの子の育て方に何か考えを持っているみたいで、ちょっと驚いたな。あんな犬夜叉でもちゃんと父親の自覚は持ってたみたい。」

かごめはくすっと笑った。


日が暮れ始め、風が桜の花びらを宙に舞わせた。



「桜が綺麗ですね。」

りんは空に舞う花びらを見上げて言った。


「りんちゃんのお屋敷には桜の木はあるの?」


「ええ、一本だけ。なんでも樹齢100年は超える木だとか。」


二人は薬草をカゴに集めて家に戻った。


「りん、遅くならないうちに屋敷に戻った方がよい。一雨降りそうだ。」

楓が空を見て言った。そういえば、黒い雲が空を覆い始めていた。


「はい、そろそろ戻ります。また来ます!」


りんは阿吽にまたがりみんなに手を振った。


「……えっ?」


かごめは、一瞬りんの背後に白い長い髪が靡いたように見えた。

目を擦ると、何もいなかった。


「どうした?かごめ。」


楓は目を擦るかごめを見た。


「ううん、何でもないの。気のせいかな…」


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