第18章 昔の恋人?
「…瑠璃さん、いっちゃったね。」
かごめと珊瑚が、瑠璃を見送った。
「木賊丸から逃れたくて、嘘を言ったんだね。」
「殺生丸も、本当の事を言えばよかったのに…」
りんは阿吽に跨り、殺生丸を探した。
ガウウ!!
すると、大きな桜の木の下に、殺生丸の姿を見つけた。
りんは殺生丸の前に降り立った。
殺生丸の瞳が、ゆっくりとりんを捉える。
「あの…殺生丸様っ…」
りんは、誤解していたことを謝りに来たが、なかなか言葉が出てこなかった。
「お前なら、」
「えっ?」
珍しく、殺生丸が先に口を開いた。
「言わずとも、分かっていると思った。」
「っ!」
殺生丸様は、りんの事を信じてくれてたんだ…
それなのに……
私、自分が恥ずかしい。
「ごめんなさい、殺生丸様。」
りんはしゅんと謝った。
すると、殺生丸がりんの頬をそっと撫でた。
「行くぞ。」
ずっとずっと、信じてる。
殺生丸様が、私を守ってくれる。
「うんっ!」
誤解して、ごめんね?
大好きだよ、殺生丸様。
終わり