第17章 小さな光
「ガウウッ!」
阿吽の様子から、りんに何かあったと察した殺生丸は、すぐに飛び立とうとした。
「…待て殺生丸。」
ご母堂が立ち上がり、殺生丸を引き止める。
「………」
「りんにはお前しかおらん。お前が守るしかない。」
殺生丸は、何も答えずに屋敷を去った。
(殺生丸…お前にりんと生まれてくる子供のこれからの苦労が分かるのか。)
ご母堂は、椅子に腰掛けて殺生丸の後をじっと見つめた。
ーーー
ザンッ!!!
「きゃっ…!!」
月姫の振り下ろした剣が、りんの肩をかすめた。
着物に、じんわりと血が滲む。
「…やめてっ、お願いっ…」
「ふっ…懇願したとて、お前はここで死ぬ運命なのだ。」
ザンッ!ザンッ!
(殺生丸様っ…!!!)