第13章 花よりも君
「お帰りなさいませ、殺生丸さま。」
家来に迎えられ、邪見と共に我が屋敷に戻った。
鎧や剣を邪見に預け、真っ先にりんの部屋へと向かう。
スッ…
りんの部屋の襖を開けると、花の香りが広がった。
「…あ、殺生丸さま!!」
りんはまんべんの笑みで殺生丸へ近寄ってきた。
「お帰りなさい!今、葉月と一緒に花を生けていたんです。綺麗でしょ?」
頭を下げる葉月の隣には、色鮮やかな花が見事に生けられていた。
殺生丸はりんの生けた花を眺めた。
「私はこれで失礼致します。」
葉月は一礼して部屋から出て行った。