第10章 旅立ち
2日後
「りん、荷物はそれで全部か?」
大きな風呂敷に、りんは着物を包んだ。
「はい!」
楓は、りんに弓を渡した。
「殺生丸が守ってくれると思うが、これは持って行きなさい。御守りだ。」
「はい。ありがとうございます。」
りんは弓をぎゅっと握りしめた。
「体には気をつけてね。落ち着いたら、遊びに来てね。」
かごめはりんの手を握った。
「…おい、殺生丸が来たみたいだぜ。」
床に寝転がっていた犬夜叉が言った。
外には、殺生丸と阿吽がいた。
「殺生丸さま…!」
りんは嬉しそうに駆け寄った。
「…行くぞ。」
「はい。」
りんは、みんなの方を向いた。
「みなさん、本当にお世話になりました!」
りんはまんべんの笑みでみんなにお辞儀をした。
「達者でな、りん……!」
楓は、まるで孫を見送るかのような気持ちだった。
りんの嬉しそうな顔が、いつまでも心に残った。
「さようならー!!!」
阿吽に跨り、手を振るりん。
旅立ち、そして始まり。
りんは上空から村を見渡した。
本当に、ありがとう。
「殺生丸さま、これからよろしくね」
殺生丸は何も言わずに、りんを見た。
これからは、ずっと一緒。
おわり