第10章 旅立ち
雪のように白い殺生丸の手をぎゅっと握りしめる。
りんは、今まで生きて来た中で一番幸せを感じていた。
殺生丸さまと一緒に行ける。
ずっとずっと待ってた。
しかし、殺生丸と共に行くということは、楓の村を出て行くということだ。
ちゃんと話さなきゃ…
楓さまやかごめさまには、いっぱい迷惑かけたし心配もさせてしまった。
「殺生丸さま、楓さま達に話さなきゃ。」
「二日後に、また迎えに来る。」
殺生丸の言葉に、りんはにっこりと笑った。
「すごく幸せ。殺生丸さまと一緒に行けるなんて。」
りんは殺生丸に家まで送ってもらった。
「じゃあ、ちゃんとみんなに話すね。」
殺生丸は、一度りんの頬を撫でると上空へ飛んで行った。