第9章 選択の時
「……殺生丸さまの、意地悪。」
りんは殺生丸の胸をトンと叩いた。
「りん、ここに残れって言われるのかと思った……」
「…迎えに行くと言った。」
愛おしい。
自分の腕の中に収まるりんを、強く抱きしめる。
りんには選ばせない。
自分と共に生きる以外のことなど
決して
選ばせない
「もう、りんのこと離さないで…!」
りんの言葉に、殺生丸はいままでに感じたことのない胸の苦しみを覚えた。
離しはしない
もう二度と
離さない
人間と妖怪
出逢うことのなかった二人が出逢い
そして今、共に生きようとしている
「殺生丸さま、だいすきっ」
おわり