第2章 深まる関係
「今度うちにご飯作りに来てよ。」
「え!?あたしが?」
「七瀬の手料理食べてみたいな。」
そうは言われても、あたしはシュリの様に料理が上手い訳ではない。
全くできない訳でもないが、簡単な物しか作れない。
好きな人に振る舞うには、もう少し上手くなってからが良い…というのが本音だった。
「あたしはシュリみたいに料理上手くないからさ。」
「上手いとか上手くないとかじゃなくて、七瀬が作るから意味があるんだよ。」
「って言われても…。」
紫音は無言でおねだりする様に見つめてきた。
根負けしたあたしは、渋々了承した。
「いつ作りに行けばいい?」
「七瀬の都合の良い日でいいよ。」
「じゃあ、今日は?あたしは次の講義で今日は終わるから早く帰れるんだ。紫音は?」
「俺も次で終わるから、今日は写真部に行かないで俺の家に行こうか。」
「うん。ちなみに何か食べたい物ある?って言っても、作れる物限られてるんだけどさ!」
開き直って笑いながらそう言うと、紫音は少し考える仕草をした。
「うーん…じゃあ、カレーライスがいいな。」
「それなら作れるよ!」
「花音も好きなんだ、カレーライス。」
嬉しそうに笑う紫音。
シュリが戻って来たら、料理を教えてもらおう。
密かにそんな事を思った。
「じゃあ帰りにスーパーに寄って帰ろっか。」
私の言葉に紫音は笑って頷いた。