第6章 頭首
「紫原…。」
「…あれ?ミドチンじゃん。なんでここにいるの〜?」
どうやら紫原と緑間は知り合いのようだ。紫原と緑間が知り合いという感じだった為、結紀と彰、そして高尾は驚きの表情をする。だが、結紀はあえて黙っている。あとから事情を聞こうと考えたのだ。
結紀は、戦闘モードに切り替える。そして、岡村、紫原、根武谷に忠告する。
「…ここで命を落としたくないのなら、退け。後々、援軍が来る。」
「お前らまさかと思うが…"同盟"を組んだのか…?」
根武谷は驚きながら結紀達に質問をしてしまう。だが、何も答えない結紀。その時、そこまでだ…と声が聞こえてきた。その声を聞いた紫原、岡村、根武谷の動きが止まった。その声を聞いた結紀の表情も少し強張る。
突然と黒い霧が発生し、そこから姿を現す男性がいた。青紫色のセミロング、瞳はオレンジ色をした姿。その男性こそが死神の頭首である白銀 零(しろがね れい)だ。白銀の手元には大鎌があった。
「よぉ、久しぶりじゃねぇか。フード野郎。」
「…もう、会わないと思ってたが…。」
白銀はニヤリと笑っていた。まるで、結紀との戦闘を楽しみにしていたと見える。白銀が持っていた大鎌を結紀に向ける。やがて、白銀が紫原達に指示を出す。
「コイツは俺が殺る。お前らは他の相手にしろ。援軍が来る前にな!」
「はぁ?あいつはオレが相手する〜!」
勿論の事、指示に従わない紫原。だが、白銀は表情を変えることなく何も言わない。これ以上、指示を出すことはないみたいだ。その時、緑間が構えていた矢を紫原に放つ。