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血の争い【黒子のバスケ】

第6章 頭首


会議室から出た結紀は、吸血鬼族の領土内にある湖にいた。湖の近くに座っている結紀。その後ろから声を掛ける昴輝。そして、彰だ。

「なぁ、さっきの話は本当か?」

「……何の話?」

「…誤魔化すな。」

「………。」

結紀自身で質問が来ると予測していた。この質問を誤魔化すことができないと判断した結紀は苦笑を浮かべては、静かに昴輝と彰の2人に言った。

「…気まぐれなのは本当…。だけど、なんか見捨てることが出来なかったんだよね、アイツは…。」

「…それは結紀の勘かな?」

「…多分ね…。」

結紀は高尾に治療したことを詳しく話していた。その話を反論もせず黙って聞く昴輝と彰。結紀が全て話終わった時には、昴輝と彰は複雑そうな表情を浮かべていた。

それもそうだろう。頭首である結紀が吸血鬼族が鳥族を助けてしまった。だが、過去で起きたことはもう修正することはできない。済んだことは仕方ないっと思っている昴輝と彰だ。

すると、結紀は何かを思い出したのかやがてクスっと笑って彰に言った。

「…ねぇ、彰。今の我は結紀じゃなくて"フード"なんだけど?」

「あ、ごめんね。今度から気を付けるよ。」

いつもの癖だった為、思わず本当の名前を名前を呼んでしまった彰は苦笑を浮かべながら謝った。いくら"同盟"を結んだ鳥族でも結紀の正体を知られてはいけないのだ。
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