第3章 血祭りの真似事
まるで、瞬間移動したようにも見えた。これは、ある意味…結紀が得意とするものだ。スピードを利用しての移動だから、他人から見たら瞬間移動したと勘違いをする。
「青峰ッ!」
霧渓が咄嗟に青峰に呼びかける。青峰は、結紀の移動が見えなかったのか、驚きの表情を見せる。
だが、結紀は暇さえを与えるつもりでもなかった。右腕を鋭くさせ、青峰を貫こうと攻撃をする、流石の青峰はその動きは見えたらしく避ける。
しかし、結紀はその先も読み取っていたらしくすぐに左脚の蹴りをする。その左脚の蹴りをまともに受けた青峰は再び吹き飛ばされる。
「っ!!!」
結紀は、一度青峰が吹き飛ばされた方向を見てはすぐに目標を変えて霧渓の方を向く。また、結紀は霧渓の目の前に現れる。
「くっ!!」
霧渓が苦しげな表情を見せると同時に、結紀の背後に火神が立つ。鋭い爪で結紀を斬り裂こうとした。すぐに結紀は向きを変えて火神の腕を掴む。
「コイツ、なんだよ!?」
「……邪魔をするな。」
結紀の声は、あまりにも低かった。元々、正体をバレないようにワザと低くしていたのだが、今回ばかりは仲間に危険を及ばせたということで、かなり怒っているのだ。
結紀は、そのまま火神を投げ飛ばす。思ってたよりも力があった為、いとも簡単に火神は飛ばされてしまった。
結紀が隙を見せた瞬間に、霧渓が攻撃に移る。しかし、それと同時に彰が動いた。霧渓の鋭い爪を受け止める彰。
「…僕達を嘗めるなよ。そう簡単にはやられはしない。」