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血の争い【黒子のバスケ】

第9章 記録と繁栄


そう今まで狼族の頭首は、結紀でも聞いたこともないし、見たこともなかった。だから疑問に思ったのだ。一体、誰が狼族を率いているのか分からないからだ。

結紀は、考える事を諦めたのか深い溜息を零して言った。

「どっちにしろ、代行はあの霧渓だろうね。一番、頭の回転が早い。」
「……そうだろうな。どうする?調査なら謝りキノコに頼むが?」

頭首が誰なのか確認を取る必要がある。しかし、それは相手の領域に侵入するということでとても危険な事である。正体を掴むのには、手っ取り早いことは確かである。

彼の提案に首を左右を振る結紀であった。まさか、反対されるとは思ってもいなかったようで、日向は驚きの表情をしていた。

勿論、伊月もそうであったので、どうしてだ?と思わず質問をしてしまう。

「やけに、気配を消すのが上手な奴がいる。あっちの方が上で、殺されるのがコッチになるよ。もう少し様子を見た方がいい。」

結紀が言っているのは、恐らく黒子と黛の2人だろう。彼らの影の薄さに、不意を突かれてしまうのが落ちだと判断したからだ。

影が薄い、変幻自在である2人だからこそ、とても危険なのだ。結紀は、日向達に背を向けて言った。

「……お大事に。」

結紀は彼の言葉を聞く前に、医務室から出て行くのであった。
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