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血の争い【黒子のバスケ】

第9章 記録と繁栄


"吸血鬼族に女"は存在しない。それは、どこの本にも書かれている。吸血鬼の女が現れたら、それは常識を覆すことになる。だが、現実となった。誰もが驚くことであった。

人間族は、吸血鬼に関する資料をかき集め、過去の事を調べていた。だが、どの資料にも"吸血鬼族の女は存在した"という文章はなかった。

「やはりないですね…。」

資料に目を通している桃井がそんな事を呟いていた。桃井の傍には相田もいた。相田も探しているが、どこか難しい表情を浮かべていた。この様子から見付けられていないということだ。

「ないわね。実は、もう一つ気になった事があるの。」

「どんな事ですか?」

「"吸血鬼はどうやって繁栄してきたのか?"ってことなの…。」

「それは、確かにそうですね。」

そう、今まで吸血鬼は男しかいない存在で、未来繁栄は心理的に無理な話だ。では、どうやって繁栄したのか…という疑問点が出てくる。

それを調べる為、相田と桃井は更に過去を辿る。桃井がある本の文章に目が止まった。そこに書かれていたのは、"女性行方不明者が増加。吸血鬼族が犯人か?"というものだ。

その言葉に、ゾクゾクと寒気を感じた桃井はすぐに相田に見せる。その文章を読んだ相田の顔色も変わってしまった。これは、人間族にとって大きな問題なのだ。

「……これ、もう少し調べた方がよさそうね。」

桃井と相田は、再び調べ始めるのだった。

その頃、吸血鬼族と鳥族でも"繁栄"の話になっていた。それは、結紀と昴輝が会議室で、鳥族である日向達と今後の対策を話していた最中だ。
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