第13章 人の部屋に入る時は必ずノックをしましょう
恋愛なんてものは私にとって未知の領域。
この感情が恋愛だって気付いたところで、これから何をすべきかなんて私には分からない。
『はぁ……。』
掃除なんてしてる余裕もなくて壁にもたれかかって座り込んでいると誰かに声をかけられた。
土方「また掃除してたのか。」
『あ、土方さん。こんにちは。』
声をした方に顔を移せばそこにはこの前とは違い仕事であろう隊服を身にまとった土方さんの姿があった。
そうだ、それに、もし銀さんへの感情が恋愛なのだとしたら、私は一体この人に何て話せばいいのだろう。
そんな事を考えていれば自然と表情も暗くなるのも当たり前で。
土方「どうした?万事屋と何かあったのか?」
『え、いや、別にそういう訳では…』
土方「嘘だな。何かあった。顔にそう書いてある。」
そう言われて私は掌で顔を擦る。そんな私を見て土方さんは笑う。
…恋愛ってこんなものなの?
もし銀さんが好きだと土方さんに言えば、土方さんはどんな顔をするんだろう。
もし土方さんが好きだと銀さんに言えば、銀さんはどんな顔をするんだろう。