第13章 人の部屋に入る時は必ずノックをしましょう
天音side…
『はぁ…はぁ…なんで私逃げちゃったんだろう』
思わず焦って飛び出してきちゃったけど、そもそもなんでこんな焦ってるんだ私。
これじゃあまるで私が銀さんの事がす……
『………。』
い、いやいやいやいや!!!
そもそも恋愛感情なんて私知らないし!!素人だし!!
こんな時に限ってまたあのお妙さんのセリフが脳裏に浮かぶ。
『一緒にいたい…もっと知りたい…か…。そんなの…。』
神楽ちゃんや新八君や皆と一緒に居たいとかもっと知りたいとか、そういうのと銀さんに対する一緒に居たいとかもっと知りたいとかって、何か違うのかな。
いやいやいやいやいや…何が違うんだよ。
昨日実際私があんな行動を取ったのは、銀さんだったから?
もし銀さんじゃなかったら私は一体どうしてたんだろう。
『……わかんないよ…。』
でも本当は口ではそう言いながら分かってた。
あの時そばにいたのが銀さんじゃなかったら、きっとあんな事は言ってない。銀さんだからって、分かってた。
でもそれを認めるのも、自分の気持ちと向き合うのも怖かった。
もどかしくて嫌だから。