第13章 人の部屋に入る時は必ずノックをしましょう
お登勢「そうかい。まぁアンタがいいならそれでいいんだけどさ。この町を好きになってくれてアタシも嬉しいよ。」
『はいっ!大好きです!!』
お登勢「ところで、銀時とはどうなんだい?」
『へっ!?』
話の流れが一気に変わり間抜けな声が出る。
銀時という名前を出され、昨日の自分の行動やさっきまでの出来事が頭の中で鮮明に映像化され、さっきまで大丈夫だったのにいきなり恥ずかしくなる。
そして顔には大量の汗。なんともこ心地の悪い汗が手や背中にも吹き出す。
『ど、どうって、な、何がですか!?』
お登勢「何がって別に理由なんてありゃしないよ。単に聞いただけさ。」
『そ、そうですよね!あはは〜!!じゃ、私、そ、掃除してきますね!ではっ!!!』
何かを見透かされるのを嫌がり、お登勢から逃げるように箒を持って慌ただしく店を出ていった。
あまりの勢いにお登勢の前を風が吹く。
そんな天音を見てお登勢はふっと目を閉じて笑った。
お登勢「なんだい、おもしろいじゃないか。」
そう言ってお登勢はまだ少しお茶が残ったコップを片付けた。