第12章 一人は好き。独りは嫌い。〜過去篇〜
翌朝。
右手の感覚に自然と顔が緩んでしまった。
反対の手で目を擦りながら銀さんの方を見ると、銀さんは瞬きもせず天井を見つめていた。
「あれ、銀さん起きてたんですか?」
銀時「え?あ、うん、銀さん早起きだから、ていうか寝なくても大丈夫だから、身体はまだ10代だから。」
銀さんの視線が私に移り、その時銀さんの顔を見た時思わず驚いてしまった。
「ぎ、銀さん!何ですかその隈!!」
銀さんの目の下にはくっきりと隈が出来て、もしかして私のせいで眠れなかったのかと申し訳なく思う。
もしかしたら本当は嫌だったのかなとか、布団で誰かと一緒に寝るのが無理な人だったのかなとか、私の我が儘で銀さんの睡眠を妨害してしまったとか、嫌なことばかり頭に浮かぶ。
「ごっ、ごめんなさい私のせいで…あんな事言わなかったらちゃんと寝れてたのに…」
銀時「ん?いいんだよ。でもまぁ、そりゃ好きな女と一緒の布団でさ、しかも手繋いだままだよ?眠れないよね、銀さん頭おかしくなるかと思った。」