第12章 一人は好き。独りは嫌い。〜過去篇〜
ただ寂しさを紛らわすためにひたすら歩いた。
こんな事してたって何も変わらないのに。
ずっと歩いて、目的も無いのに歩いて、朝から何も口にしてなかった私は空腹と精神的な疲労によって何処かも分からないところで意識を手放した。
『あんなに小さいのに両親が居ないなんて気の毒ね』
『可哀想ね。あの子もあの子を引き取る家も大変よね』
『きもい』『疫病神』『お前も親と一緒に死ねばよかったんだ』
『お前はいらない子』
『ごめんなさい、一人にして、あなたを守ってあげられなくて本当にごめんなさい』
『お前の事ずっと空から見守ってるから、だから、強く生きてくれ』
『父さんも母さんも、ずっと天音の事を愛してるよ』
ねぇ、なんで私を一人にしたの?
どうして私だけを残して行っちゃうの?
こんなにも寂しいのに。孤独なのに。
私、もっと愛されたかったよ。