第12章 一人は好き。独りは嫌い。〜過去篇〜
そして日は経ち、入社式を終えた私はいつものように一人帰路にたつ。
家に帰っても、おかえりと言ってくれる人もいない。
暖かいご飯を作って待っててくれる母もいない。
必死に働いて、それでも笑顔で帰ってくる父もいない。
一人でいるとそんな事ばかり考えてその度に孤独感が増す。
誰も私の事なんて必要としていない。
どれだけ頑張っても褒めてくれる人なんていない。
私を頼ってくれる友達も、私を愛してくれる人もいない。
私の居場所何てものは、もう幼い頃既に無くなってた。
それなら生きてても仕方ないよね?
そう連続してしまった私は部屋着のまま何も持たずアパートから出ていた。
どこに向かっているのか、その時自分でさえも分からなかった。
宛もなく、ただ暗闇の中を一人で無心で歩いていた。