第12章 一人は好き。独りは嫌い。〜過去篇〜
規模の大きな大企業に勤めることになった私の給料をあ宛にし始めた。
今まで散々な扱い、罵倒を浴びせてきたにも関わらずこういう結果になった途端にこれだ。
本当都合がいいというかなんと言うか。
勿論私は叔母達の言うことには耳を貸さず、アパートも決まり誰もいない日中、小さなメモ用紙に『今までお世話になりました。』とだけ書いて家を出た。
そこから何日間に及び、一日に何度も電話やメールが届いたけど
ショップに行って携帯ごと変えて、番号もアドレスも何もかも変えた。
新しい住まいにリラックス全開モード。
誰もいない、気を使わないでいい、文句や罵倒を浴びせてくる人もいない。
やっと解放された。
あの時の感覚は今でも鮮明に覚えてる。
それから初出勤まで少し日数があったけど、勿論私にはお洒落なカフェに行ったり流行りの服屋に行ったり恋の話をしたりするような友達も、手を繋いだりキスしたり二人きりで旅行に行ったりするような彼氏も居ない。
一人で買い物、一人でランチなんて当たり前だった。