第15章 マジメに楽しく
相葉視点
S「どこに座るの?」
翔ちゃんがすっかりお仕事モードになった。
スタッフ「こちらです」
ファイルを広げるスタッフ。
翔ちゃんがスタッフと話し始めると潤ちゃんも話に入って行く。
こうなると 完全に二人で話が進んでいく。
カズは『違う』と思わない限りコメントはしなくなる。
俺は、ひたすら話を聞いている。
日本で曲順やダンスはたくさん話して決めたけど、ココでの演出は、ココで決める。
だから、ちゃんと聞いて、スムーズにトラブルなしで最高のコンサートにしたい。
ケガなんか とんでもないよ
スタッフ「カメラの位置がココとココです」
スタッフが赤いペンでファイルにチェックを入れる。
(どこ?)
翔ちゃんの横から覗き込む。
(これかぁ 結構大きいな…)
スタッフ「望遠で中の様子も撮る予定ですが、一度飛んでいただいて、映像を確認した上で、判断します」
S「ほう じゃ、すぐ乗る?」
スタッフ「はい 皆さんがよろしければ…」
スタッフが俺たちを見る。
S「じゃ 乗ろう」
ヘリコプターの前に立つ翔ちゃん。
(翔ちゃんが先に乗らないと…)
M「翔くんから乗らないと、ニノが乗れないんだよ」
潤ちゃんと同じことを思った。
その後ろでニノが頭を下げる。
S「あ、はいはい」
背中を丸めて一番奥に進む翔ちゃん。
N「お邪魔します」
その後ろについて行くニノ。
翔ちゃんとニノが席に座ると翔ちゃん側の扉が開いて、スタッフが二人に話しかけている。
(シートベルトの場所 説明かな?)
O「あっちからも乗れたんだね…俺はこっちから乗るの?」
大ちゃんが潤ちゃんに聞いている。
M「そう…なるね。でも、ちょっと待って…」
何かを書き込んでいる潤ちゃんが答えている。
(潤ちゃん、なに書いてるんだろう…)
N「相葉さん? 乗れますよ?」
シートベルト閉めながら俺を呼ぶニノ。
「はーい 乗りまーす」
ヘリコプターに乗り込む。
N「ココが相葉さんのシートベルトの金具ね」
ニノがシートベルト着用を教えてくれる。
(これ? ああ 車と同じだね)