第15章 マジメに楽しく
櫻井視点
「翔くん…」
背後から声がした。
「ん?」
振り向くとハンデーカメラをもったスタッフがいる。
スタッフ「なにしてるの?」
カメラを向けながら問いかけられた。
「何って、ちょっと物撮り…
(密着だから、言動注意だな
それに、空に たくさんの御来賓が おられるし…)
みんなに配らないと…」
(そう言う事にしてぇ)
スタッフが後方に下がっていく。
「櫻井…」
ヘリコプターの方から俺の名前が聞こえた。
(呼ばれた?)
「私ですか?」
機体の方に走り寄る。
そこに居た人たちが一斉に俺を見るが、何も言ってくれない。
(ちょ なに? 俺 何かやらかした?)
A「座席決めてるの。翔ちゃんはニノの隣になったみたいだよ」
雅紀が笑顔で教えてくれる。
「え?もう決まったの?」
N「早いモノ勝ちです」
ニヤッと笑うニノ。
(わー 自己満足してて、仕事してなかった…
取り返さないと!!)
「どこに座るの?」
スタッフ「こちらです」
ファイルを広げるスタッフ。
「俺・ニノ・雅紀 で 前 智くんと潤?」
潤に指を向ける。
M「ごめん 一番に降りたいんだ」
ペコっと小さく頭を動かす潤。
「そうか…分かった」
(智くんと和也を中心に… うん その方が防衛しやすいけど、映像に撮られるから…)
「カメラの位置ドコ?」
ヘリコプターの中に頭を入れる。
スタッフ「カメラの位置がココとココです」
スタッフが赤いペンで場所をさしながら、ファイルにチェックを入れる。
(この角度なら、中から外は映らない…)
スタッフ「望遠で中の様子も撮る予定ですが、一度飛んでいただいて、映像を確認した上で、判断します」
「ほう じゃ、すぐ乗る?」
スタッフ「はい 皆さんがよろしければ…」
「じゃ 乗ろう」
メンバーの方を向く。
M「翔くんから乗らないと、ニノが乗れないんだよ」
困った顔の潤が突っ込んでくる。
その後ろでニノが頭を下げる。
「あ、はいはい」
(俺が 止めているのね…)