第10章 仲良くお仕事に行きましょう
松本視点
ポケットに携帯を入れていると、視線を感じ顔を上げると、走って行ったはずの相葉くんが俺を見ていた。
「どうしたの?なんかあるの?」
A「ううん。俺今からニノの所行くけど、一緒に上行こうと思って!」
ニカッと笑う相葉くん。
(日本語なんか変だけど…)
A「エレベーターの前でプチ集合ね」
手を振って走り出す相葉くん。
(言いたい事だけ言って行っちゃったよ…)
部屋に戻って、歯磨きや髪形のチェックをして、エレベーターの近くに行く。
N「すみませんねぇ」
小走りでニノがやって来た。
「いや 別に 気にしなくてもいいよ」
A「ほら 今日の潤ちゃんは優しいから大丈夫だって言ったじゃん」
背中側からニノの肩を両手で押している相葉くん。
(ん?“は”…)
A「ぎゃ!」
相葉くんの変な声が聞こえる。
ニノが音もなく俺の腕を掴む。
「え?」(いつの間に? それに相葉くんどうしたぁ)
N「バカに付ける薬はありません! さ 置いて二人で上がりましょう」
グイグイ引っ張るから二人でエレベーターに乗り込む。
A「待って待って 待ってて!」
よろよろしながら エレベーターの扉を押し開く相葉くん。
N「乗るんですか?」
冷たく言うニノ。
A「乗ります 乗らしてください!」
片手を立てにペコペコする相葉くん。
N「では、ちゃんと仕事してくださいね」
エレベーターの開くを押すニノ。
A「はい ちゃんとシマス」
エレベーターに入ってきた相葉くんがわき腹を擦っている。
ニノが上の階のボタンを押す。
「大丈夫か?」
気になるから直で聞く。
A「ふふ テレ屋さんなのぉ」
クスッと笑う相葉くん。
(いいのか そんな言葉使って…)
N「おい!」
濁った太い声のニノ。
(ほら…)
チーン
たった一階上がるだけだからすぐ扉が開く。
A「おはようございまーす」
相葉くんが大きなの声を出してエレベーターから出て行く。
N「チッ 逃げやがって…」
「なぁ 今からリハもあるし、ほどほどになぁ」
ニノに一応 釘を刺す。
N「手加減してます」
心の無いような返事が返ってきた。
(本当か?頼むぞ…)