第1章 髪の長い男
「¿?」
突如、綿菓子の様に平和な雲を裂く電竜。
ドガァァッ!
「雨が···降ってきたわ」
毎朝狂音を耳にしているおてんばなおヒメ様にとって、雷などなんのこれしき。雷が、この森全体を黄色、いや、何も無く純白にナイフの大雨の如く染め上げても。
「まるで終わりね」
空をも隠してしまう、何時の時代の植物かが知らない大木も、凍えて震えている。真上から、昨夜のショーに使われた大蛇の集まりが槍の様にヒュルスルッと落ちてくる。
私は手をかざしたーーーーそれと同時に、今日最高の電竜が赤い夕焼け色に光る。
「本当に気分悪いわ、お前たちは、ただの小道具。ショーの見世物なのだから関係無い時に出てこないで?」
大蛇はその頭をそれぞれ違う方向に動かし、シャーッと毒薬の色の舌を出して威嚇する。「__串刺しにするわよ」
また、それと同時に電竜は最高音の記録を塗り替えた。
大蛇が唸る。その感情が判らないまま、私はドレスの中に腕を通し て
ムンズッ。
「··· ···」
自らの指の温度に驚いたのではない、指先から伝わってくる感触に自らの指を疑った。ズル、と何かが上がってきて
「っっいっひゃあーーーーーーい!!!!っもううっサイアクじゃないかあ!!!ったくーーー」
・・・おとこだった。
みぎめをつむり、えきたいでぬれたひとみは、こちらにーーーー
「__________________________ 」
は じ めて 「ちょっチョッチョッチョッチョッ待っ」
ゴァガァラァッァアオーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!!!!」
こえにな ら ないさけ びを あ げ た
「ううり~~死んだか?俺の頭ン上に雷が落ちるなんてぇ~!」
この男が言う事は、耳に入らなかった。頭が状況に追い付かないけど、
だけれども、今冷静に出来る事は、
バリイイッッ!! 「へっ!??また雷」
ズオオオオオオオオオ····· 「へぇひっ!!!」
空気と空気が衝突し、混じり、絡まる。