第1章 マスカレード from voice
*Sho side*
智くんが
こっちをじっと見つめてきた。
ねえ…、
そんな瞳(め)で見ないでよ…。
また恋に落ちそう。
あ、それか…、
もしかしてバレた?
Tシャツ、
前後ろ反対に着てたこと。
智くんを車に乗せて、
自分が運転席に座ったとき、
気づいちゃったんだよね…。
うわー!
バレてたらどうしよ…。
でも、
何も言ってこないってことは
多分大丈夫だよね。
智くんのその瞳に、
振り子のように揺られる心。
このまま時間(とき)を止めて
抱きしめたい。
俺の
コイビト、
智くんを。