第3章 ずっと、君のそばに。
──今日、俺、ツイてない。
せっかく翔さんと約束したのに…。
「終わんねーよっ!」
──残業とかさ、ありえなくね?普通。
「お疲れー。」
なんだよー、松本…。←同期
残業に嘆く俺を横目に
定時ピッタリに帰る松本。
代われ、お前。
(無理ですよね~)
いよいよキャラが崩壊し始めた俺は、
さっさと仕事を終わらせることに。
(最初からそーしろよ!)
「どう?ニノ、終わった?」
あれから30分ちょい。
「終わってないよ…。」
いよいよ社内でもタメになり始めた。
(“一応”、翔さんは先輩)
でもさ、よくよく考えたら
俺に残業させたのコイツなんだよ?
(ついに先輩に向かって“コイツ”呼ばわり)
こっちから飲みに
誘ってあげたっていうのにさ…。
という、翔さんへの恨みで
光の勢いで終わらせて、
5分後には社外にいた。
「翔さん、どこ行きます?」
「え?
ニノから誘ってきたんだから
ニノ、考えてるんじゃないの?」
「全く?
翔さんならいいお店知ってるでしょ?」
「え、えー?」
翔さん、困り顔。
「んー…、わかったよ!
じゃ、うち来る?」