第3章 ずっと、君のそばに。
*N side*
「ニノ、一緒に帰んない?」
俺が密かに想っている憧れの相手からの
突然のお誘い。
一瞬、俺に気があるのかもとか
期待はしてみたけど、
「朝の話の続き、したいしさ。」
その言葉に期待は消える。
そうだよね。
俺ら、男だし。
翔さんも俺を好きだった、みたいな
ご都合主義のラストには
してくれないか…。
作者が。(←私のせいにするなっ!
by つなかん)
でもさ、まだ決まったワケじゃないじゃん?
万が一、億が一、
翔さんが俺を好きってなったらさ。
もし告白して、
何兆分の1の確率でも翔さんが
OKしてくれる可能性があればさ。
当たって砕けるのも、ありじゃね?
だから、勇気を出して誘ってみる。
「ねえ、翔さん。
せっかくだからさ、
飲みにでも行かない?」
これには、
電車に乗ってる間だけじゃなくて
もっとしゃべりたいのが半分。
もし告白するとなったとき、
さすがに素面じゃ
できないからってのが半分。
「いいけど。
ニノから誘ってくるなんて珍しいね。」
ちょっと珍しがられたけど、
怪しまれずに誘い出すことには成功した。