第3章 ずっと、君のそばに。
──後輩に注意されるなんて、
つくづく俺も…
「櫻井部長ー!」
「あ、はーい!」
後輩の資料のチェックを頼まれ、
急に現実に戻る。
でも、ニノと喋ってると、
幼なじみだから話題も
たくさんあるからだな。
思い出話が弾むし。
「部長ー?
何考えてんですか?
仕事!手、止まってますよ?」
「あ、ああ。」
だめだ。
今日はツイてない。
頭の中ニノだらけ…、
って、俺はアイツの彼女かっ!
“久しぶりにじっくり話したから
ちょっと楽しくなっちゃっただけ。”
と自分に言い聞かせて、
なんとか仕事を続ける。
「翔ちゃん♪メシ行こー!」
「あ、智くん!ちょっと待って!」
昼休み。
2コ上の先輩
(といっても全然先輩に見えない)、
智くんといつものように昼飯に。
いつも決まって社食の
日替わり定食を食べる智くんと俺。
今日のメニューの
クリームコロッケをつつきながら
グチったり、笑いあったり。
だけどね…、今日は違った。
もうかれこれ智くんとの付き合いも
15年…?
いや、もっとかな…。
と、まあそのくらいになるからかな。
ちょっと俺の様子が違うだけで
すぐわかるみたい。