第2章 Frohe Weihnachten
「ねえ、雅紀。
俺、雅紀になんかした?」
みんな帰って二人きりになれたのは…、
あれから3時間後。
すっかり日付も変わって、
雅紀の誕生日になってるけど。
それでもいつも
「しょーちゃん♡」
って寄ってくる雅紀が
俺となんとなく変な距離感の
とこにいて、いつもみたいに
くっついてきてくれないから…、
心配になって、声をかけてみる。
けど。
「何でもない。」
いや、なんでもあるでしょ?
「なんかあるなら言ってよ。」
「何もないって!」
…このまま行くとケンカになりそう。
めったに入らないキッチンに入り、
俺でも出来る料理を。
マグカップに牛乳を注いで、
レンジでチン。
簡単な料理だけど、これ一つで
ほっこりできる。
雅紀の前にコトリと置いて。
俺はそっとフェードアウト。
向こうからしゃべってくれるのを
そっと待とう。