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【ワールドトリガー】 愛に盲目・恋に強情

第5章 個人ランク戦




「見てな、そろそろ勝つぞ」


米屋先輩がそう言うと、二人は画面を見つめる

画面の中にいる駿くんは、完全に遊真を格下だと思っているらしい
その証拠に彼の顔は、余裕そうな笑顔だ

確かに今までの遊真の強さなら、一瞬でカタがつくだろう


笑顔で遊真に飛びかかる駿くんに、スコーピオンを突き立てる遊真

その腕は駿くんに斬られていたものの、駿くんはトリオン供給器官を破壊されてベイルアウトした



「もう負けはないね」

「え?どういう事ですか?」


不思議そうに尋ねる修に、米屋先輩が答えた


「ウチの隊の攻撃を4対1で凌いだ奴が、緑川一人に負ける訳ねぇだろ?なんか知んねぇが、おチビの奴緑川をボコボコにしたいらしいや」


それから立て続けに駿くんが3本負けた
ギャラリーはざわざわとして、二人の結果を見守っている


「緑川は才能あるし実際強ぇけど、まだボーダー入って1年かそこら…覚えた芸を見せたくて仕方ねぇ犬っころの動きだ」

米屋先輩の言う通り、駿くんは強い。でもまだ経験が才能と実力に追いついていないのだ

そこが可愛いところでもあるが、この場合は不利になる


「駿くんと違って、遊真の動きはこう…如何にして上手に敵を倒すかって動き。そりゃ遊真の方が強いよ」


それからも駿くんは負け続け、2対5にまでなってしまった


「緑川もおチビの強さに気付いたようだな」

「駿くんも成長したなぁちょっと前だったら気付かなかったと思いますよ…あ、また負けた」



そのまま最終戦になった二人は、今までで一番いい勝負をしていた

駿くんが得意のピンボールを使わないのは多分…遊真との差を感じるためだろう






結果としては2対8だった試合に、ギャラリーは驚いていた

遊真が出てくると、陽太郎は嬉しそうに親指を立てて褒める

米屋先輩は元々遊真と戦いに来ていたのもあり、次の対戦を申し込んでいた



駿くんはまだかな?なんて思っていると、後ろから聞きなれた声が聞こえた



「遊真ー眼鏡くーん」

「あれ、迅さん」

「どもどもー相変わらずいいお尻してるね!」

「殺す」


物騒だなーなんて言いながら私の頭を乱暴に撫でる迅さんは、修と遊真を城戸司令の命令で呼びに来たらしい



「あ、迅さん!!」
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