第5章 個人ランク戦
「こらぁ修!負けてしまうとはなにごとか!」
「なーんか目立ってんなぁ」
陽太郎と遊真が修を出迎えに行くと、彼はいると思わなかった人物たちに驚いていた
すると、2階から声が降ってくる
「お疲れー眼鏡くん。実力は大体わかったから…もういいや、帰っていいよ」
その声はブースから出てきた駿くんの声だ
その言葉に遊真は静かに、陽太郎は表立ってムッとしたが、修は呆然としているだけだ
「なんか全然だったなあの眼鏡…」
「期待はずれー」
「年下の緑川に完全になめられてるし」
士郎のような耳を持っていなくともわかる、その声に私もムッとしそうになる程の言われようだ
案の定陽太郎は怒り、雷神丸と共に仇をとろうとしていた
「米屋先輩ーこれどうにかしてくださいよ」
「琥珀、俺にそんな力あると思ってる?」
「思ってないです」
「そこまでズバッといわれると傷つくぜ!」
米屋先輩とこの空気に飲まれない為に会話をしていると、遊真が駿くんに話しかけた
「なぁ、この見物人集めたのお前か?」
「違うよー、風間さんと引き分けたって噂に乗ってきたんだよ」
「へー…お前、つまんない嘘つくね」
少し低い声で遊真が言うと、駿くんは動揺したように目を見開いた
どうやら嘘だったらしい
そんな驚いている駿くんに、遊真は話を続ける
「俺とも勝負しようぜ緑川、もしお前が勝てたら俺の点全部やる。1508点」
全部あげるなんて一体何を考えているんだ?
修や駿くんも思ったらしく、驚いたように遊真を見る
米屋先輩は、勝負する約束をしていたらしいがこの際後回しにされるだろう
「1508点って…C級じゃん、訓練用トリガーで俺と戦うつもり?」
「うん、お前相手なら十分だろ」
駿くんはその言葉にムッとしたのか、何かつぶやいてから柵から飛び降りてきた
「いいよ、やろうよ。そっちが勝ったら何が欲しいの?3000ポイント?5000ポイント?」
「点はいらない、その代わり俺が勝ったら先輩と呼べ」
「へぇ年上なのか、ちっこいから年下かと思ったよ。いいよ、俺に勝ったらいくらでもアンタの事先輩って呼んであげるよ」
A級の余裕というやつだろう、しかし遊真の次の一言で全員が驚いた
「いや俺じゃない…ウチの隊長を先輩と呼んでもらう」