第5章 個人ランク戦
「お昼ごはんだーーー!!古寺!隣のクラス行くぞ!!」
「えぇ!?まだ片づけてないから…って引っ張らないでよ!行くから!!」
先生が出て行った瞬間にお弁当を片手に立ち上がり、先程(自覚はないだろうが)助けてもらった古寺の腕をぐいぐいと引っ張る
わたわたと準備をしている古寺を待っていると、クスクス…とクラスの女の子達が笑っているのが見えた
ボーダーは女の子が少ないため、必然的に男の子と仲良くなる
たまに京介みたいなイケメンが混じっている事もあり、疎まれる事もしばしばあるのだ
しかし、私の場合は少し違う。ただ単に馬鹿が進学校にいるのが面白いのだ…そんな雰囲気の色を醸し出しているからわかる
ちょっとはしゃぎすぎたかな…なんて思っていると、古寺が準備を終えて立ち上がったので隣のクラスへと足を運んだ
「士郎ーー!遼ーー!」
「うるさいなぁ鼓膜が破れるからその元気どこかに捨ててくれない?」
「いいじゃん減るもんじゃないでしょ!屋上行くぞー!」
「鼓膜は破れたら減るんだけど?馬鹿なの?」
「まぁいいじゃないか、琥珀が学校で元気なのはこの時間位だぞ?」
「馬鹿だからねぇー勉強が退屈で仕方ないんだよ」
「う、うるさい!体育は好きだから!」
「脳みそまで筋肉でできてるんじゃないの?」
「乙女になんて事言ってるの!?ひどくない!古寺ー遼ー助けてー」
「僕達を巻き込まないでよ琥珀ちゃん…!」
わいわいと4人で話しているとは思えないほどの騒がしさで屋上に行くと、奈良坂先輩と荒船先輩が座っていた
「相変わらず元気そうだな、琥珀」
「荒船先輩ー聞いてくださいよー!士郎が脳みそまで筋肉とか言ってくるんですよ!?」
「菊地原も言いすぎないようにな、一応年頃の女の子だぞ?」
「それ位分かってますよ…一応女だって事位」
ぶーと口を数字の3にして反省の素振りのない言葉を並べる士郎
荒船先輩はそんな士郎を見て楽しそうに笑う、全くもって遺憾だ