第4章 入隊式の日
訓練室に着くと、嵐山さんと充が仮想戦闘モードを使った訓練の説明をしている
邪魔にならないように見学席の上にある柵の方へと足を運ぶと、風間隊の皆がいた
「どこいってたんだよ、まさか間違えて新入隊員に戻っちゃった?」
「そんな訳ないでしょ!ただ玉狛の新人組を応援してきただけだよ」
「迅の後輩か…見物だな」
「風間さんが言うなんて珍しいですね」
ほのぼのとした会話をしていると、すぐに訓練は始まった
58秒でクリアしたのが今のところの最速
「今期もパッとしないなぁー」
「最速記録保持者は琥珀だよな?」
「まぁねー」
「2秒だっけ?本当、体動かすのだけは得意だよね。あれだってルール分かってなくて1秒食ったじゃん」
「そ、そうなのか?」
「うんー倒せばいいかと思って倒したんだけど、正解だったんだよね」
えへへーと笑っていると、相変わらずだったんだな…と遼に笑われてしまった
風間さんも少し呆れたような顔をしているが、気にしてはいけないだろう
「琥珀、迅の後輩とやらは強いか?」
「実際は戦ったことないですけど、この訓練で言えば…多分私の記録越しますよ」
「ほう…」
興味深そうに遊真を見つめる風間さん
それにつられて私達も遊真を見守る
いや、見守る暇もなかったと思う
なぜなら彼は、私の記録を大きく上回る0.6秒で倒したのだから
再び計測すると、0.4秒に縮まっていた。恐るべし遊真
「あれが迅の後輩…なるほど、確かに使えそうな奴だ」
「そうですかぁ?誰だって慣れればあの位…」
「素人の動きではないですね、やはりネイバーか…」
「ね?強いって言ったでしょ?今度個人ランク戦する約束したんだーうらやましいだろ!」
自分の事を自慢するように胸を張ると、士郎に冷めた視線を送られた
「そんなの米屋先輩達と琥珀くらいだよ。それに無い胸を張っても意味ないよ?」
「変態!士郎変態!!」