第4章 入隊式の日
あっという間に年が明け、入隊式の日になった
私達風間隊は、嵐山隊のように広報活動をしている訳ではないので重要な役割などはない
それに今日は非番ということもあり、新入隊員に見込みのある者はいるか見に来ている
つまりは品定めというやつだ
他の隊もそれは同じであり、人数の少ない隊などはいい人がいればスカウトする事も考えているのだろう
ちなみに風間隊は定員オーバーなので、入れないし私と交代などと言われたら断固風間さんに抗議するつもりだ
私が来たもう一つの理由は
「お、久しぶりだな琥珀先輩」
「久しぶり、遊真。修と千佳も元気そうでなによりだよ」
入隊式会場となる、体育館に行く道で玉狛の新人三人組に出会った
もう一つの理由は、この三人に会うためだ
入隊する事は迅さんから聞いていたし、A級の間でもちょっとした話題になっていたからだ
「琥珀先輩は非番ですか?」
「そうだよ、結構今日は非番の隊員が多いの。新入隊員がどんなものか気になるってのもあるけどねー…まぁ、遊真と千佳は皆驚くと思うよ」
「修は?」
「修はー…B級だし、今日は付き添いでしょう?何も訓練しないと思うよ」
「そうですよね…よかった……」
あっという間に体育館へとつき、流石に式場に入る勇気はないと廊下で待っていることにした
しばらくすると、嵐山さんと充に連れられぞろぞろと白い隊服の新入隊員が出てきた
風間隊の隊服ではなく私服だからか、あまり注目はされないのが幸いだった
「あれ、琥珀こんなところでどうしたの?」
「おはよー充!玉狛の新人組とお友達でね、応援しにきたの」
「そうなの、相変わらず元気だね」
「充も相変わらず髪サラッサラだねうらやましいぞー!」
「二人とも仲良しでなによりだ!琥珀もアタッカー訓練来るのか?」
「はい、行きます!」
充の髪をわしゃわしゃと撫でて遊んでいると、嵐山さんが嬉しそうに笑う
嵐山隊は本当にいい人ばかりで広報担当に選ばれたのも頷ける