第3章 冬休み
「おそい」
「ご、ごめんなさい…」
本部に急いで帰り、廊下は走るな!なんて誰かに言われながら廊下を走りきって隊室へと帰った
するとすぐそこに士郎が仁王立ちしていて、ものすごく怒られた
そりゃあもう存在そのものを否定される勢いで罵倒されたのだから、反省するしかないだろう
「菊地原、そのくらいでいいだろう。琥珀、外出するのはいいが時間は守れ」
「ごめんなさい…玉狛で宿題やってたらつい…」
「この話はこれで終わり!防衛任務の時間ですよ」
歌歩ちゃんが手をパンッと叩いて強制終了させると、私達は各々トリオン体へと変身しつつ防衛任務にあたった
簡単に終わった防衛任務に安堵しながら隊室へと再び戻ると、士郎が口を開く
「宿題は終わった?」
「うん、栞先輩と京介に手伝ってもらった!」
見てみろ!とドヤ顔で終わった宿題を並べて自慢すると、士郎につまんないのとため息をつかれた。どういうことだ
「…琥珀、数学の問題集がないようだが?」
「…ん?」
遼に言われ探すと、新品同様のきれいな問題集が見つかった
「…終わってないんだった……」
京介と栞先輩に、少しは自分で挑戦してみようと言われ数学の一部を持ち帰っていたのだ
「詰めが甘いのは戦闘も勉強も一緒ってことだね、残念でした」
「うぅ…わかんない……」
ペラペラとページをめくるが、授業でやったはずの問題に全く見覚えがない
「まだ数日ある、頑張れよ」
遼に苦笑いされながらそう元気づけられ、うなずくともう夜も遅いので歌歩ちゃんを送ってくると遼と歌歩ちゃんが帰った
「お前らも遅くなるなよ、明日も任務がある」
「了解です風間さん!お疲れさまでした!」
「お疲れさまです」
風間さんも忍田さんに報告してから帰る、と言い私達二人になってしまった
「士郎、帰ろうか」
「そのつもりだよ、お前と一緒なのが不本意だけど」
「またいじわる言うんだから!」
文句を言いあいながら帰り支度をして、本部を後にした