第3章 冬休み
「ぜぇ……はぁ……はぁ…っ」
「ご、ごめんね?そんなに体力ないと思わなくて…」
「だ、大丈夫です…僕の方こそ……せっかく訓練していただいてるのに……」
10本勝負をひたすらやっていたが、ついに倒れそうになった修を心配しながら訓練室を出る
丁度全員ソファーに座って休憩しているようだった
「修、おつかれ」
「ありがとう空閑…」
水を渡され、一気に飲み干す修を見て罪悪感に苛まれる
風間さんに相手をしてもらうような勢いでやったが、彼はトリオン量が少ない上に体力もないのをすっかり忘れていた
「修君、大丈夫?」
「だ、大丈夫だ千佳…ありがとう」
「ほんとごめんねー、いつもの調子でやっちゃった…」
ペコペコと謝っていると、遊真が修に話しかける
「琥珀先輩、強かった?」
「そりゃあトップチームの一員だし…物凄い強さだったよ……一歩も動いてもらえなかった…」
「ほう、一歩もか」
ぐたっとソファーに寝転がる修に質問し終えた遊真は私を見てニヤリ、と笑った
「琥珀先輩、俺ともやらない?」
「えぇー勝てる自信ないなぁ」
「つまらない嘘つくね、勝つ気満々じゃん」
「…サイドエフェクト持ちなんだね、それじゃ嘘つけないか」
ニヤリ、と笑うと同時に訓練室に誰かが入ってくる
「お、琥珀ちゃんいらっしゃーい」
「お邪魔してます、迅さん」
「何々?訓練してたの?」
「これから琥珀先輩と戦うところだよ」
「それも楽しそうだけど…琥珀ちゃん、士郎がめちゃくちゃ怒ってたぞ~?早く本部帰らなきゃ」
「え、もうそんな時間?やばい今日防衛任務だった!」
急に血の気が引いていくのを全身で感じた
遅刻なんてしたら、風間さんに失望されてしまう!!
「ご、ごめん遊真!今度本部来たとき個人ランク戦やってあげるよ!じゃあね!!」
「うむ、楽しみにしてるぞ」
玉狛の皆に手を振られながら、すっかり暗くなった道を走り抜けていくのだった