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【ワールドトリガー】 愛に盲目・恋に強情

第3章 冬休み




私と士郎はご近所さんだ


私は第一次大規模侵攻で両親と家を失っていたので、一人暮らしをはじめた


高校にあがると同時に士郎もこの町に残るために、一人暮らしをはじめたのだ


なぜか私の近所に越してきたが、学校と本部がちょうど近いからと言われて納得したのを覚えている



すぐに私の家の前に着いた



「ありがとう士郎、送ってくれて」

「別に家近いだけでしょ、無駄にお礼言わないでくれる?」

「いいじゃんそれくらい、夕飯食べてく?」

「食べる」



そういうと、私の家に我が物顔であがる士郎

こいつはいつも私の物も自分の物、と考えているのではないか…と考えてしまうほど遠慮しない

すぐに部屋着に着替え、エプロンをつけて作り置きしておいたカレーを温めなおす

付け合わせのサラダには私の大好きなトマトを入れるが、士郎の分には入れない。これが私達の鉄則だ

カレーにコンビニで買った揚げ鳥を乗せ、なんちゃってチキンカツカレーの完成だ



「できたよー」

「…あのさ、一応客が家にいるのに部屋着ってどうなの?」

「士郎はお客さんじゃないでしょ?もう家族同然だよ」

「はぁ…こんな家族嫌だ」


はぁー…と深いため息をつきつつ、カレーにスプーンを伸ばす士郎

それを見てから私も食べる。うん、小南先輩のレシピ通りに作るとやっぱりおいしい


「宿題、どうすんの?」

「うーん…今度こそ米屋先輩達とやろうかなぁ?」

「あんな頭悪いのじゃ終わらないのがオチでしょ」

「否定できないのがつらい…うぅ、どうしよ……」



先程まで米屋先輩と出水先輩と一緒に頑張ろうと思っていたが、確かに教えてもらえないなら終わらないだろう

困ってウンウン唸りながら、どう終わらせるかを考えていると、目の前のこいつはまたため息をついた



「はぁ…教えてあげるから、問題集出しなよ」

「へ?」

「だから、教えてあげるって言ってんの。わざわざ俺が教えてあげるって言ってんだから感謝してよね」

「…ありがとう士郎!!ご飯食べたらやろう!!」

「いきなり大きな声出さないでくれる?すごくうるさいんだけど」

「あ、ごめん」


えへへ…と笑いながらカレーをほおばると、先程よりおいしく感じられたのだった


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