第3章 冬休み
玉狛の訓練室を見るのは初めてではないが、久々に見るとつい力が入る
「じゃあとりあえず皆はいつも通りの訓練していいよ。その間に琥珀ちゃんには訓練見てアドバイスをしてもらおう」
「そんな大役務まりませんよ!?」
「何言ってるのよ、もっと胸張ってビシバシ言ってやんなさい。まぁウチの遊真は強いから大丈夫だろうけど」
ふふん、と自慢げに遊真の肩を抱き寄せる小南先輩はすぐに準備して入って行ってしまう
それに続いて遊真、そして残り二組もそれに応じて入っていった
栞先輩の後ろでモニターを見て通信機を装着する
遊真は小南先輩と10本勝負をひたすらやっているらしい
そして千佳はレイジさんの指示通りにひたすら的を撃つ練習
修は…ボコボコにされているようだ
「琥珀ちゃんはよくスコーピオンとシューターをやってるよね?だから二人にアドバイスしてほしいなって」
「うーん…でも、遊真は見てる限り自分ですぐに吸収できると思いますよ。迅さんが前に遊真の話をしてるときに私と同じくらいの吸収率だって言ってましたし」
「確かにそれもそうだねー。じゃあ修君の事頼むぞっ」
「了解です……それにしても、なんというか…」
遊真が強いのは噂で聞いていたし、千佳のトリオン量は常人離れしているとも聞いた
だからてっきり修も強いのかと思っていたが……
「よ、弱すぎる…」
ものすごく弱いのだ
京介は確かにものすごく強い、しかしそれ以前の問題に感じた
「トリオン量が少ないんですね、彼」
「そうなんだよね、でも修君は頭がすごくいいの。失敗も糧にできちゃう子なんだよ」
「なるほど…あくまで一般人レベルってところですかね。頭の良さはまだわかりませんが、まず攻撃手が向いてない気がします」
「どうして?」
「彼に遊真と同じ攻撃範囲で戦わせると、チームとして連携がとれなくなります。私なら彼を…シューターにでもさせますかねぇ」
「なるほどね」
「でもまぁ、京介のことですし考えもありますよ」
画面の向こうでボコボコにされて倒されている修を見て思う
彼は、私にはない何かを持っている気がする…と