第3章 冬休み
「…と、言うわけなんです」
「なるほど、それで私に頼みに来たのだね」
お姉さんに任せなさい!と胸を張るこの人は以前まで風間隊オペレーターをしていた宇佐美栞さん
本部にいたくないときや、士郎と喧嘩したときはたまにお世話になっている
「教えてくれますか!栞先輩!」
「任せてくれたまえよ、それに今日はとりまる君もいるからね」
グッと親指を立ててくれる栞先輩に導かれ、玉狛支部の居間へと入る
「お…宇佐美先輩、その人は誰だ?」
居間に入ると、白い髪の男の子が座っていた
真っ白すぎる髪に赤い瞳…アルビノというやつだろうか?
でもそんな見た目とは裏腹に、彼のオーラには歴戦の戦士のような威厳に満ちた色が宿っている
「…君か、噂のブラックトリガーは」
「俺の事知ってるの?」
「まぁ君は本部でも有名人だからね、三輪隊を一人で退けたブラックトリガー使いのネイバー。名前は確かクガユウマ君だっけ?」
「ありゃま、知ってた?」
「栞先輩が知らないのも無理ありませんよ、本部で話題でしたし」
「ふぅん…まぁよろしく、俺はユウマ。クガユウマ」
「こちらこそ、私の名前は奏多琥珀、琥珀でいいよ。君の一つ年上」
「なるほど、よろしくな。琥珀先輩」
握手をすると、近くにいた眼鏡の男の子と小柄な女の子も頭を下げた
「紹介するね、こっちの眼鏡くんが三雲修くん。遊真くんと同級生よ。そしてこっちのかわいい子が中学二年の雨取千佳ちゃん、出水くんよりトリオン量が高いの」
「なるほど、よろしくね」
笑顔を向けると、二人は笑顔でお辞儀をしてきた、なるほどいい子たちのようだ
「あ、あの…琥珀先輩って本部の方なんですよね?」
「そうだよー、琥珀ちゃんはね、A級3位の風間隊なの。レイジさんの次に完全万能手になった逸材とも言えるね」
「A級3位…!?それにレイジさんと同じ完全万能手!?」
「や、やめてくださいよ栞先輩…!そ、そうだそんなことしてる場合じゃないです先輩」
「あぁ宿題だったね、いいよー見てあげる」
ニコニコと笑う栞先輩に後光が射して見えたのは気のせいではないだろう