第3章 冬休み
駿くんにお礼を言い、別れてから米屋先輩に電話を入れると速攻で出てくれた
『もしもしー?何よ琥珀ちゃん』
「先輩、宿題一緒にやりませんか?終わってませんよね?」
『当たり前じゃん?でもだめだ、俺これから弾バカと個人ランク戦行くから』
「えぇー出水先輩も行っちゃうんですか…宿題終わらなくなりますよ?」
『終わる終わる、三輪に見せてもらうし!じゃあな!』
「あ、ちょっ…」
弾バカと槍バカはどうやら破滅の道を進むらしい
本当に、あの二人が先輩だとはにわかに信じがたいが、そんな事言ったら個人戦に連れていかれるだろう
「こうなったら…士郎と遼に頼む?」
「俺は絶対いやだよ」
「だよねぇ…って!!いつの間に!?」
「米屋先輩と話してるあたりから」
後ろにジュースを飲みながら立つ遼と士郎を見て驚くと、士郎が軽く馬鹿にした目でこちらを見てきた
「菊地原、琥珀だって反省してるだろうし手伝ってやろうぜ?」
「だめだよ歌川、琥珀は昔から僕の宿題写してたからね。夏は奈良坂先輩に教えてもらったらしいけど…その様子じゃ駄目だったんだ?」
「ため息つかれました」
「風間さんにまたしがみついたんだ?」
「手を無理やり剥がされました」
「米屋先輩達はどうだったんだ?違う学校だがたまに一緒に宿題やってるだろ?」
「米屋先輩と出水先輩はこれから個人ランク戦でどっちが強いか決着つけるそうです」
「あの人たちも馬鹿だね」
「…なぁ菊地原?やっぱり――
「絶対ダメだよ歌川、こいつは優しくするとつけあがるから」
さんざんな言われような上に私が頼む人たちを把握されていた
…私そんなに毎回同じことしてるかな?
「頼みます士郎様遼様…!今度ごはん奢るから!ね!!」
「いい加減に自力でやってみなよ?やってる人の苦労がよく分かると思うよー」
「ぐ…い、いいもんね…歌歩ちゃんに頼む」
「三上にも教えるなって伝えてきたところだよ、あきらめな」
「なんて事をするの士郎!!私の聞く人どんどんいなくなっちゃう!!」
「だから自力でやんなって」
その後もさんざん怒られた私(途中からただの私の悪口になっていた)は、決心しました
「もういい!私玉狛いく!!」