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voice【気象系BL】

第1章 MUSIC


*Masaki side*

「かーずっ!食べよっ!」

今は昼休み。

仲のいい幼なじみで
隣のクラスの和──二宮和也を
呼びに行く。

いつもこうやって
屋上に弁当食べに行くんだよね。

「今行くから!」

和がそう言って
リュックから急いで弁当を出して
走ってくる。

…そんなに焦らなくてもいいのに。



いつも屋上に行くまでの間、
和と俺は話しながら行くのに、
なんか今日は俺を見ながら
考え事してる?のかな…。
難しい顔してる。

「どした?」
って聞いてみるけど、
「ううん、なんでもないけど?」
って。
ま、この和がそう簡単に
悩み事を話してくれるわけ
ないと言えばないんだけどね。

でもそう言ったあと
俺に笑顔を見せた和。
やっぱりかわいい♡なんて
思っちゃったり…。

でも…。
和も男で、俺も男。
俺だって和だって
そういう趣味はなくて。
俺だって和だって彼女もいるし。
(俺の場合はつい最近別れたけど)

そんなことを考えてたら
いつの間にか屋上に。

「わーっ!和の、うまそーっ。」
和が弁当を広げて、
俺は思わず声を上げる。
いつもおいしそうなんだけど、
今日は特にそんな気がする。

「いーじゃん。雅紀のも。」
和はそーやって
欠かさずフォローしてくれて。


「「いただきます。」」
今日はいろいろあって
腹ペッコペコだったから
ものすごい勢いで弁当をかき込んでた。
けど…。

「和?食べないの?」
俺をじーっと見つめながら
自分の弁当に
全く手をつけてない和に言う。
「いや、ごめん、ちょっと考え事…。」
「最近和そういうの多いからさ。
なんかあったら相談のるよ?」


俺は本当に相談に
乗ってあげたいという気持ちと
ほんのちょっとの
期待を込めて言う。

まさか和も俺に対して
そういう気があるとも知らずに…。
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