第1章 MUSIC
*Kazunari side*
そうこうしてるうちに屋上について。
2人でお弁当を広げる。
「わーっ!和の、うまそーっ。」
…俺の母ちゃん、料理うまいんで。
「いいじゃん、雅紀のも。」
中華料理屋の息子だからか、
中華っぽい弁当。
それもそれで、十分うまそうなんですけど。
「「いただきます。」」
2人で食べ始める。
もう弁当の隅々まですごい勢いで
かき込んでいって、
あっという間に空になりそう。
制服の隙間から見える
バスケで鍛えた腕も、
男らしくて、いいなー。なんて。
俺運動しないし…。
「和?食べないの?」
あっ、やべ。
雅紀に見惚れてて、
自分の弁当食べてなかった…。
「いや、ごめん、ちょっと考え事…。」
「最近和そういうの多いからさ。
なんかあったら相談のるよ?」
そういう気遣いに、
女は惚れるってもんなんだろうな…。
俺も十分惚れてるのかも知れないけど。