• テキストサイズ

voice【気象系BL】

第3章 君が笑えるように




「松本、飲み行く?」

東京での本社会議も終えて
本社にいたころの同僚に
そう声をかけられたけど。

「ごめん、二宮。
 今日は用事があって。」

「ま、そうだよな。
 久しぶりの東京でしょ?
 じゃ、また今度。」

「じゃ。」


あんまり他人に干渉してこない
二宮の性格には正直助かってる。

もし本社時代の部長とかだと
「何?遠距離恋愛のカノジョ?
 青春してるねぇ~。」とか
いいかねないから。

それに「いやー、別に…。」
とか言って濁すと
「じゃあ何なのー?」って
問いつめてくるし。



今までは雅紀に会いたいという気持ちは
募っていく一方だったけど、
いざとなると不安になってくる。

雅紀に会いたいと思って
2年もずるずる引きずってたのが
俺だけだったら。

今ごろ新しい彼女とか作って
幸せになってたりしてたら。

そんな不安がこみ上げて来ながらも
足は自然と雅紀の家に向かっていて。


マンションの下まで来て、
やっぱりやめようかと
引き返そうとしたその時。

遠慮がちに、でも強く
俺の肩をつかむ手があった。
/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp