第3章 君が笑えるように
だから…、メールにした。
何回でも書き直せるし、
気持ちが決まってから送れるし。
間違ってメッセージアプリなんて使ったら
送信ボタンはバックスペースボタンと
隣り合わせ。
間違えて送ったりなんかしたら…って、
俺ちっちぇ(笑)。
雅紀──俺の恋人だったら
“あっごめん!間違って送っちゃったぁ♡”
なんて笑いながら言うんだろうけど。
俺じゃそうはいかなくて。
俺の想いのありったけを
メールに綴っては送ろうとしてやめて。
何十回繰り返したことか。
そして、何百回とくりかえした、
雅紀のあの笑顔。
あの笑顔に支えられて、
あの笑顔にもう1度会いたくて。
──いっそのこと、
忘れられたら楽なのに…。
きっと、ケンカ別れなんて
最悪な別れ方じゃなければ
こんな辛くはなかったのに。
すぐかっとなるくせに
別れた恋人をずっと引きずって…。
すっげーメンドクサイ
性格なんだろうな、俺。
でもね、これだけは言える。
雅紀のこと、世界一愛してるのは、俺。
それだけは絶対言えるな。
よくある少女マンガみたいだけどね。
“世界一おまえが好き”みたいな?