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voice【気象系BL】

第3章 君が笑えるように



“下書き保存”

またそのボタンに指が伸びる。

未送信フォルダを開けると、
中身は全部同じ人へのメール。

…取っておいたって
送れるわけもないのに。

1番古いメールの日付は
もう2年前だった。



恋人と別れて。

フったのは…、俺の方だったかな。

ケンカ別れ…したんだよな。

なんでケンカしたんだっけ…。

それさえ忘れちゃうくらい
些細なケンカだったのに、
なんか頭に血がのぼっちゃって。

最初は意地張って連絡取ったり
会いに行ったりしなかったけど、

だんだん、会いたくなってきちゃってさ。


いつまでもこのままじゃ
何も進めないから…。

落ち着いたら、1度ちゃんと
謝りにいこうと思ってた。


だけど、あろうことか
仕事の都合で九州まで飛ばされて。

そう簡単には
会いに行けるような距離じゃ
なくなっちゃって。

ケータイ・スマホが普及したこの時代。
電話とかメールとかいう手もある。

電話は…、1度かけてみたけど
1コール鳴り終わる前に切った。

いざ向こうが電話に出ても、
きっと何も喋れないから、俺…。
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